某国立大学で博士号(理学)取得後、経営コンサルティング会社に就職。
それもつかの間、会社を退職し職のあてのないまま妻を追ってインドネシアへ。
私(saya)が体験したこと、思ったこと、新しく知ったこと等を気ままに書いていきます。

シンガポール&インドネシアのことが中心です。

Singapore Life

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2017年5月10日水曜日

Ahokジャカルタ州知事2年間の禁固刑 ー 善良な市民はもっと行動しなければいけない

昨日、イスラム侮辱罪に問われていた現職のジャカルタ州知事(通称、Ahok)に2年間の禁固刑が言い渡された。

インドネシアのことを全くわからない日本人がこのニュースを聞いて、どのように思うのだろうか。メディアも日本ではどのように報道するのだろうか。

イスラム教を侮辱したひどい奴だ、っていう感じなんだろうか。

今回の背景には、ジャカルタ知事選があり、再選を目指すAhokに対して快く思っていなかった層が背後にいることは確実である。Ahokは元々は、Jokowi大統領の盟友であり、彼がジャカルタ知事時代には副知事であったが、Jokowiが大統領になったことで知事となった。その時もイスラム団体が猛抗議している。昨年からの再選挙期間中にコーランを用いたイスラム侮辱発言により、1回目選挙では勝つものの決選投票で敗れ、あと半年程度で退任することが決まっていた。

Ahok氏の功績は計り知れず、汚職が蔓延しているインドネシアにおいてクリーンな政治を実行し、ジャカルタのインフラ整備(特に渋滞解消策)、官僚制度改革などにおいてJokowi時代から手腕を発揮した。この改革の流れが次期知事も継承できるのかが焦点。

法的には一度有罪判決を受けてしまうと政治家の資格要件を満たせないので、控訴も棄却されてしまうと(その可能性が高いが)、このままAhokは政治の世界には戻れないだろう。

僕も同僚、友人、親戚のインドネシア人たち(中華系、非中華系両方)に聞いても、みんなCrazyだと言うし、だからインドネシアはまだ後進国だという。イスラム教徒の人ですら皆Ahokを応援している。このことから、一般的な市民(教育を受けた中間層以上)はみんなAhokを応援していたことが分かる。しかし、彼は選挙には負けた。これは、イスラム強硬派がお金をばらまき貧しい人たちを買収した結果である。

Jokowiも情けない。
もうちょっとかばってやれよ、と。
インドネシアは建国の精神で、宗教的には多様性を受け入れている。
が、現実的にはレベルの低いイスラム教の人間たちが社会を支配している。

僕の妻はこれでまたインドネシアに帰るのは5年伸びた、と言っている。
ありがたい良い仕事のオファーももらったが、僕も当分インドネシアに戻らなくていいやと思う。シンガポールの良さを考慮から外してもだ。





ここ数年に起きた保護主義的な流れ、つまり教育を受け多様性、グローバリズムの恩恵を受けるミドル・アッパー層と、グローバル化による弊害の被害者となるボトム層との対立において、確信したのは、善良な市民はきちんと行動で示さないと物事は悪化するだけだということ。周りの人間も「常識的」に考えて行動すると思って投票しなかったり、不適切なことがあった時に反対の声をあげたり、そういったことをしなければ世の中はどんどん悪いほうに自動的に流れて行ってしまう。なぜなら、ボトム層は行動をしているからだ。

そんなことをふと考えていた。

Anyway, shame on you, poor Indonesian.


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