某国立大学で博士号(理学)取得後、経営コンサルティング会社に就職。
それもつかの間、会社を退職し職のあてのないまま妻を追ってインドネシアへ。
私(saya)が体験したこと、思ったこと、新しく知ったこと等を気ままに書いていきます。

シンガポール&インドネシアのことが中心です。

Singapore Life

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2017年5月17日水曜日

[News] グレート・シンガポール・セールス(GSS) in 2017

シンガポールでは、6月8月にかけて国をあげたセールス期間がある。この期間は店によってタイミングが異なったりするが、全島内セールス一色だし、一年で一番安くものを買える時期かもしれない。

このセールスのことを、「Great Singapore Sales」といい、頭文字をとってGSSという。

2017年が24回目で1994年に観光庁(STB)が始めた試みである。

今年は、6月9日から8月13日までの66日間開催される。

今年の目玉は、無料モバイルアプリ「GoSpree」を通して、無料クーポンなどの配信が各店舗ごとに行われること。店舗側にとっては、アプリの利用料は無料。とくに中小の小売店に利用を促しているようだ。別の投稿でも書いたように、シンガポールはGLCと呼ばれる政府系企業と外資系企業が経済を牛耳っており、民間地元企業の大半は中小企業である。こういった人たちに最新のテクノロジーを用いたサービスの提供を支援することで、付加価値の高いサービスを提供できるようにし、すべての領域でシンガポーリアンは付加価値の高い仕事に就けるようにしている。こういった中小企業対先は、人民行動党の支持を維持する目的もあるだろう。

このデジタルマーケティングは、今年初頭に出た未来経済委員会の今後10年の国家戦略にも沿った流れとなっており、改めて国の政策と各種政策が有機的に結びついていて、シンガポールさすがだな、と思う。

各店舗がQRコードを設置し、それを集めることで得られる特典もあるらしい。

ちなみにアプリの配信は、GSSの始まる6月9日からとか。

毎年、服飾類の買い物は1年に一回この期間に済ませているので、今年も効率よく買い物したい。

以下が参考にした記事。
http://www.straitstimes.com/singapore/new-app-to-roll-out-special-gss-deals



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2017年5月10日水曜日

Ahokジャカルタ州知事2年間の禁固刑 ー 善良な市民はもっと行動しなければいけない

昨日、イスラム侮辱罪に問われていた現職のジャカルタ州知事(通称、Ahok)に2年間の禁固刑が言い渡された。

インドネシアのことを全くわからない日本人がこのニュースを聞いて、どのように思うのだろうか。メディアも日本ではどのように報道するのだろうか。

イスラム教を侮辱したひどい奴だ、っていう感じなんだろうか。

今回の背景には、ジャカルタ知事選があり、再選を目指すAhokに対して快く思っていなかった層が背後にいることは確実である。Ahokは元々は、Jokowi大統領の盟友であり、彼がジャカルタ知事時代には副知事であったが、Jokowiが大統領になったことで知事となった。その時もイスラム団体が猛抗議している。昨年からの再選挙期間中にコーランを用いたイスラム侮辱発言により、1回目選挙では勝つものの決選投票で敗れ、あと半年程度で退任することが決まっていた。

Ahok氏の功績は計り知れず、汚職が蔓延しているインドネシアにおいてクリーンな政治を実行し、ジャカルタのインフラ整備(特に渋滞解消策)、官僚制度改革などにおいてJokowi時代から手腕を発揮した。この改革の流れが次期知事も継承できるのかが焦点。

法的には一度有罪判決を受けてしまうと政治家の資格要件を満たせないので、控訴も棄却されてしまうと(その可能性が高いが)、このままAhokは政治の世界には戻れないだろう。

僕も同僚、友人、親戚のインドネシア人たち(中華系、非中華系両方)に聞いても、みんなCrazyだと言うし、だからインドネシアはまだ後進国だという。イスラム教徒の人ですら皆Ahokを応援している。このことから、一般的な市民(教育を受けた中間層以上)はみんなAhokを応援していたことが分かる。しかし、彼は選挙には負けた。これは、イスラム強硬派がお金をばらまき貧しい人たちを買収した結果である。

Jokowiも情けない。
もうちょっとかばってやれよ、と。
インドネシアは建国の精神で、宗教的には多様性を受け入れている。
が、現実的にはレベルの低いイスラム教の人間たちが社会を支配している。

僕の妻はこれでまたインドネシアに帰るのは5年伸びた、と言っている。
ありがたい良い仕事のオファーももらったが、僕も当分インドネシアに戻らなくていいやと思う。シンガポールの良さを考慮から外してもだ。





ここ数年に起きた保護主義的な流れ、つまり教育を受け多様性、グローバリズムの恩恵を受けるミドル・アッパー層と、グローバル化による弊害の被害者となるボトム層との対立において、確信したのは、善良な市民はきちんと行動で示さないと物事は悪化するだけだということ。周りの人間も「常識的」に考えて行動すると思って投票しなかったり、不適切なことがあった時に反対の声をあげたり、そういったことをしなければ世の中はどんどん悪いほうに自動的に流れて行ってしまう。なぜなら、ボトム層は行動をしているからだ。

そんなことをふと考えていた。

Anyway, shame on you, poor Indonesian.


Jakarta's Christian governor jailed for blasphemy against Islam
Decision to jail Ahok politically driven: Lawyer

アホック氏 禁錮2年 宗教冒とく罪を認定 北ジャカルタ地裁 即日控訴も収監



2017年5月6日土曜日

シンガポール島内引越(3度目)

先日、シンガポールに来て3回目の引っ越しをした。
シンガポール来て3年半だから、1年1回のペース。
引っ越す理由はいつも家族構成の変化だけど、今回のところは少し長めにいられるといいが、通勤の面では僕が少し大変なので、Flex timeを使うようになるけどどこまで耐えられるかが問題か(特に雨の日)。

これまでは、引越って言っても、Taxiで済ますか、作業員付きのミニバンレンタルみたいなもので済ませてきたけど今回は初めて業者を使ってみた。
どうせまた引越すので、備忘録程度にまとめてみる。

引越業者

引越業者はネットでもいろいろ出てくるし、日本語フリーペーパーでもよく紹介されている。それなりに数もあるようだ。

業者請求書の比較選定はしていない。

まず、日系は選定対象外に。自分の周りで日系の最大手を使った際に、対応が悪くもう使わないと言っていたからだ。身近な意見の影響力は大きい。値段も高いらしいし、踏んだり蹴ったりだろう。

あとは、とある方のブログでコストが最も安いということで、「KNT movers」という会社に決めた。

http://www.kntmovers.com.sg/

本当は、ここ以外にも見積もりを出してもらおうかと思ったけど、見積もりに来たスタッフのレベルが非常に高く、料金も手頃だったので即決した。

うちの場合は、TV、ベッド、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、机、ワイン収納は備え付けだったが、赤ちゃん用ベッド、化粧台など含め入居後に購入したものも多数だったが、1.5台分のトラックで、SGD700ー800だった。ちなみに、Packingサービスを頼むと、+SGD300、Unpackingも頼むと更に+SGD300。参考にしたブログでは、Packingもスタッフによっては雑らしいので、うちは住み込みのメイドにやってもらった。

引越前にやること



①梱包

引越業者から、段ボール40個、プチプチ、食器用包装紙、ガムテープは一通り十分な量届くので、新たに用意するものはなし。段ボールに入らない大きいものは、スタッフが梱包して持っていくのでそのままでよく、ハンガーにかかっている服もそのままでよい。

②住所変更届

銀行 ⇒ オンライン or プライベートバンク担当へメール

保険 ⇒ オンライン

会社 ⇒ 人事

ネット環境 ⇒ メールで問い合わせ移転作業の依頼

SP Service ⇒ 移転前住居のアカウントは大家側で閉めるとのことでノータッチ。新住居側のアカウントをオンラインで開設。メーターの読み取り日もネットで指定するが、立ち合いの必要はなし。

③カーテンクリーニング

TAに記載されているので、やらなくてはいけない。レシートなくさないように。

ってか、いつも思うけどカーテンの留め具がシンガポールっていつも適当だなって思う。金属の金具を直接カーテンにぶっさしてるけど、日本だとプラスチックの留め具を小さいポケットに入れてく形が主流だと思う。

④エアコン掃除証拠のレシート提出

これもTAに記載されているので、四半期ごとに業者に掃除をさせてその証拠のレシートを提出しなくてはいけない。

実は、昔、やってなかったことがあったが、うまく色々と言い訳をして乗り切ったことがある。古いコンドだと、これまでにたまりにたまった汚れが詰まって化学薬品による掃除をしなくてはいけなくなることがある。はっきりいってこれは地雷。

あと、前居住者がインド系の人だと、オイルが室外機から充満して、エアコンまでしみだしてきて、高額の掃除代を請求されることも。TAでは、自然劣化とみなされるものでSGD150を超える場合は、SGD150までは大家側で負担してくれる、という条項があるのが一般的なので、こういったものはきちんと請求するようにしよう。

エアコンの掃除については、Dr.Coolという業者が非常に詳しく、各種指摘や修理すべきポイントをレポートにまとめてくれる。ほかの業者は結構適当で、エアコン内部がやばい状況でも気づかない場合があるので、逆に戦略的にこういった凡庸な業者に言質をとらせることで、掃除が必要ないということを大家側のAgentへ説得するために使うこともできる(これはちょっと高度?)。

④設備の原状復帰


引越1カ月前になり、呪われているかのように電球が毎週のように切れたり、スターターが壊れたりしたので、いつも部屋を見てくれるとても気立ての良いバングラのおっちゃんに見てもらったり、自分で直せるものは直していった。


引越当日の流れ

※新居の大家側のエージェントには、引越しと立ち合い確認の日は別にすべき、と苦情を言われた。荷物が片付いていないと、チェックできない項目もあるため。
※ちなみにコンドは基本的に休祝日の引越などはできないので、平日に実施。

9:10  予定より遅れてサービス会社の人到着。運搬だけだけど、7人くらいいた模様。
     車輪のついた木の板に荷物を5,6個載せ、ラップでくるんでいく。
     服は、専用の鉄の枠でできたハンガーケースを2台借りる。

10:15 荷物運びだし終わり。
     新居の部屋の鍵の受け渡しを11:30にしていたのでその旨伝え、新居で後程合流する約束をする。
     時間余ったのでお手伝いさんに部屋の掃除をしてもらう。

11:30 先に荷物を運び出していた業者とコンドのスタッフと少しやりとりが発生。
            どうやらコンドに事前通知をしておかないといけないらしい。
    同時に、大家エージェントと家具等の不備がないかお互いに確認。

12:30    作業完了。現金でDeposit分差し引いた差額を支払い。

(省略)

17:00  旧コンドに行き、大家エージェント、自分たちのエージェント立ち合いの元、設備の状態の確認を行う。
     ※気づいたこと等は以下に記載。

入退去時の確認について

  • 入居時にエージェントと指さし確認を行う。この時きちんと確認していないと、後で損壊など発見しても言い出しづらくなってしまう。
  • 引越原則1カ月以内であれば、装置の不具合などは直してもらえるのできちんと言う。
  • 入居後1週間以内に部屋の隅々まで見て、傷などの証拠写真をしつこいくらい撮って、パワポなどにまとめてPDF化してエージェントに送付しておく。(今回の引っ越しでは旧住居のエージェントは入居時にこちらから送った傷の写真集を持参してきていた。)


そんなこんなでシンガポール3度目の引越は完了。
初のバルコニーがある部屋で正面にも建物がなく、建物も新しく広くてかなり満足度高い。
ここにはどれくらい住めるかな。






シンガポールの大学と教育制度について

近年、長年アジアの大学トップの座を守ってきた東大を蹴落とし、シンガポール国立大学がトップにつき、日本人に衝撃を与えた。そして、シンガポールの大学の優位性は、今後も低下することはないだろうと思われる。

(2017年版のTHE世界大学ランキングについてまとめたのはこちら)

なぜ、アメリカの大学が世界でトップに君臨し続けるのか。それは、多様性と研究・教育への投資量で決まる。後者は、優秀な卒業生からの寄付も多い(TataがHarvardに建物寄付したり、アジアからもTop Tierはアメリカの大学に向かっている)。同様に、シンガポールの大学は、国が率先して優秀な研究者を呼び込み、アジア中の大学生を受け入れることで順位を上げてきた。これは、一朝一夕にできるものではない。

シンガポールの教育制度外観


シンガポールは学歴がすべてである。元々資源がなく、産業も英国軍が落とす金と観光業くらいしかなかったシンガポールは、建国当時失業率が10%を超えており、外資製造企業の誘致が急務であった。それに必要なインフラ整備を国が率先して行っていったのだが、人材の育成も急務であった。
人材の育成とは2つの意味がある。一つは労働力としての一般人の能力。外国語の習得は基本的に技能の向上がこれにあたる。もう一つの人材とは、国の舵取りを行っていく優秀な官僚の育成である。前者の一環として、公用語は英語(母国語はマレー語。元々マレーシアの州の一つだったので)になり、後者の一環として教育制度の整備と、大統領奨学金等による先進国への留学制度である。ちなみに、建国の父、Lee Kuan Yuや、その仲間たちはイギリス留学時代の仲間たちであり、彼の妻もOxford留学生である。ちなみに、Lee Kuan Yuは法学でケンブリッジ大学を主席卒業している。留学制度についてはまた後程記載する。

さて、シンガポールでは、以下の図のような形で進学していく。各課程を終えた段階で、試験があり、その成績次第でその後の人生が決まってくる。シンガポールにおいて敗者復活はない。これは、初代首相が、優秀な人材は生まれつきであり、早い段階からそれを見極めることが重要であると考えていたことが分かる。日本のように、偏差値30からの●●大学合格、のようなことはない。偏差値30の人はそもそも大学受験の資格すらないのがシンガポールなのだ。
(※下図を見てわかる通り、実際はどの道を進んでも大学への進学ルートは存在する
。存在はするが、よほどの例外以外は一度コースから外れてしまうと、もう復帰は難しいのが現状。)

この制度については、賛否両論あろうかと思う。確かに、世界の偉人の中には、一般的な教育・社会制度の中から落ちこぼれてしまったものも少なくないし、そういった偉人は失敗の経験から多くのことを学んでいる。こういった人たちもきちんと活躍できるような社会は必要であると思うし、それが広い意味での多様性だと僕は思うが、一方で、このような効率的な官僚育成制度は羨ましくもある。生まれてから死ぬまで一度も失敗がないような秀才的なトップ層だけで国の舵取りに必要な人員は足りてしまうのかもしれない。ただし、失敗に対する耐性がないとすると、大きな失敗をしたあとのリカバリーができなさそうでそこはリスクかなと思う。
早い段階で大学への道が閉ざされる、という言い方をすると若干ネガティブかもしれないが、早い段階でその子供の向き不向きを見分け、大学に進学するような座学が得意でない子は早い段階から技能習得訓練をするのは理にかなっているとも思う。ドイツもそんな制度だったかと思う。
日本も少しは見習ったらいい。トップ以外の大学なんて言ったってしゃーない。何も技能が身につきわけでもなく、いたずらに就職へのモラトリアム期間を設けて、返せもしない奨学金という名の借金を増やすくらいなら、手に職つけれるようにしてやればいいし、企業含め社会が大学生をありがたがる今の考え方を改めて、それぞれの役割とパフォーマンスに応じて評価してやればいい。英才教育や、一部のエリート向けの投資ももっとやったらいい。以下の留学制度でも紹介するが、シンガポールでは(欧米でもあるかもしれないが)、優秀な生徒が受けておる奨学金は親の経済状況に関係ない。実際、Lee Sheng Longも奨学金を取得してケンブリッジ大学に留学している。
全員を平等にすることの害悪を日本は学ぶべき。

※教育省(MOE)のサイトから拝借

さて、このような教育制度なので親は子供を小さいときから教育し、良い学校に入れたがる。そのための投資は惜しまないし、シンガポールの子供たちは面白いくらいみんな眼鏡をかけている(ちなみに、国民の近視眼率はずばぬけて高いらしい)。スポーツ選手やアーティストを目指す子供は少ない。最近、シンガポーリアンの同僚と話したが、彼女はピアノを習うことをいいことだと言う。理由を聞いてみると、彼女の友人はピアノ教師で、相当稼げるらしい。最近はシンガポーリアンも子供にいろんなことを習わせようとしている。そのおかげで、元々ピアノ教師が少ないので、非常にお金が稼げる(日本の音大出て安い給料でずっと独身のままピアノ教師やっている人が多いのとはえらい違いだ。英語できるならシンガポールで稼いだらいい)。他人がやっていると、負けず嫌い(シンガポールではキアスー”Kiasu”という)なので、バレエ教室なんかも繁盛しているらしい。それでも親としては、子供の体験としてやらせているわけで、親はあくまでもいい大学に入って給料の高い仕事をしてもらいたいと思っている。

留学奨学金制度


留学奨学金制度は、以下の4つがあり、現在のLee Sheng Long首相も1,2の奨学金によってケンブリッジ大学&大学院、ハーバード大学院を卒業している。優秀な成績で高校を卒業した者に与えられ、行く国もあらかじめ決められているようである。もちろん成績の良い順に決めていくのだろうが(日本の東工大に国費留学した知人談)。
受給するには卒業後に公務に従事することが義務となる。ちなみに、1が最もランクの人たちに与えられ、2,3,4と併用して受給することができる。

  1. President's Scholar
  2. Singapore Armed Forces Overseas Scholarship (SAFOS)
  3. Singapore Police Force Overseas Scholarship (SPFOS)
  4. Overseas Merit Scholarship (OMS)

官僚の給料


シンガポールは早い段階で優秀な人物をえりすぐる制度を築いたと書いたが、そういった人物を国の機関で働かせるために留学奨学金制度などのインセンティブを与えているが、給与も重要なインセンティブである。

官僚の給料は、弁護士、医者など専門職の給料を基に平均値+αで決定されているようだ。批判もあり年々+αの部分が縮小傾向にあるという話もあるが、単純に考えれば官僚になったほうが、平均的には弁護士、医者よりも稼げるということ。こういうインセンティブを与えることによって優秀な人材を集めている。

国で最も優秀な人たちが、国の中枢で働くというのはとても素晴らしいことだと思う。シンガポールのエリート官僚は、国をいかにプロモートして、海外のヒト・モノ・カネを集めてくるか、というのが仕事なので、非常にビジネスセンスも要求されるし、若くして大きな仕事ができる(フィリップ・ヨーが経済開発庁(EDB)長官に39歳で抜擢されている。日立社外取締役等も務める。07年には旭日重光章が授与され日本とも関係の深い人物。ちなみに親の七光ではあるが、日本の戦後最年少就任記録大臣は、小渕優子34歳9ヶ月)。

このように、シンガポールの官僚はほかの国の官僚のイメージとは全く異なる。これがまさに、「シンガポール株式会社」といわれる所以である。首相が社長、大臣が執行役員、GLC(政府系企業:Keppel、ST Engineering、SIAなど多数)社長が事業部門長、優秀な官僚がその手足となって働き、国民は一般社員、となってみんなで国の価値を高めていっている。

シンガポールの大学

上記の通り、国内超優秀層は海外トップ大学へ留学する。シンガポールの国民、永住者の15-19歳は24万人くらいなので、同い年が約4万8千人がいることになる。奨学金受領者を150人くらいとすると、0.3%くらいか。

ちなみに日本では、17年4月1日時点の15-19歳人口が603万人なので、1歳あたり平均121万人。東大は3100人くらい入学しているので、0.15%くらいとすると、シンガポールの奨学金の難易度はざっくりと言って東大、京大入るレベル。ただし、マジコメすると、日本の場合は、東大、京大に入れる人でもほかの大学を受ける人たちも大勢いるので、実際に東大、京大入っている人は、上位0.3%から漏れている人も多数いるということは想像に難くない。全国民統一試験みたいなのをやって、入学大学の分布とか見てみたい気もする。(最近、開成から20人くらいが海外トップ大学に合格していることが発表された。関西のほうにもそういう高校はあるし、実は日本ももうシンガポールのように、成績トップの人たちは東大、京大には行っていないのかもしれない。そうなると東大合格者数ではかる高校ランキングなんてもうあまり意味ない。)

シンガポールでは浪人している人を周りで見かけないが、制度的にできないのかよくわからないが、小学校浪人は存在する。小学校卒業試験でつまづくと、その時点で大学進学の道が閉ざされてしまうからだ。

現在あるシンガポールの現地ローカル大学(※外国の大学もキャンパスをシンガポールに設置している例も多い)は、以下の6つ。

NUS、NTUがシンガポールの双璧をなす大学で、すでにアジアトップクラス、東大よりもランキングは高い。NTUは創設50年以内の大学ランキングでは世界2位につけている。

NUSはイェール大学と提携しキャンパスをNUS内に持っていたり、世界トップクラスの大学との提携も積極的で、多様性や国際性の点から、はっきりいって日本の大学など足元にも及ばない。ビジネススクールでは、企業の幹部クラス向けの講座も持っており、上司も何人か参加していたが、参加者、プレゼンターは財閥の子息や、各国トップクラスの人たちも参加しており、出会える人もまさに一級(その分非常に高額)。

SMU出身の人もたまに見かける。コツコツやる子で、NUS、NTUには行けなかった人が行くレベルの大学だろう。このレベルの人は、MBAとるなどしないと、政府系機関、外資大手などで働くのは難しいかもしれない。

  1. シンガポール国立大学(NUS)
  2. 南洋工科大学(NTU)
  3. シンガポール管理大学(SMU)
  4. シンガポール科学技術設計大学(SUTD)
  5. シンガポール理工大学(SIT)
  6. Singapore University of Social Sciences(SUSS)

周りのシンガポーリアンの学歴などを考慮すると、たぶん、以下がシンガポーリアンの学歴の序列。

  1. 海外(主に米英)トップ大学(政府系奨学金)※私費での海外トップ大学留学は見たことない。
  2. NUS
  3. NTU
  4. 裕福な子供が私費で海外留学(オーストラリアなど)
  5. SMU

先日(2017年初頭)、博士課程時代の同期が研究会で南洋工科大学に来ていた。元々
高輝度レーザーは温度や湿度の安定性が求められるが、シンガポールでも研究している人たちがいるようで、かつての光物性分野ではシンガポールでも同様の、いや予算が潤沢な分日本よりも良い研究環境が用意されているようだ。

そういえば、NUSには人気講師の田村耕太郎という元参議院議員の人もいる(めちゃくちゃ頭悪そうな人だけど一応。文章は稚拙で、自分の意見がない人)。バイオテクノロジー分野でも優秀な日本人が何人か引き抜かれて講師陣に名を連ねている(伊藤嘉明の例は当時日本でも話題になったようだ)。

(参考:Googleで検索した学生数 ※基本大学院含む。年度は数年のズレあり。)
 こう見ると、世界トップクラスって意外に学生数少なくてびっくり。