某国立大学で博士号(理学)取得後、経営コンサルティング会社に就職。
それもつかの間、会社を退職し職のあてのないまま妻を追ってインドネシアへ。
私(saya)が体験したこと、思ったこと、新しく知ったこと等を気ままに書いていきます。

シンガポール&インドネシアのことが中心です。

Singapore Life

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2017年4月24日月曜日

シンガポールにはマンダリンホテルが3つある(運営会社は2社)

この間、コンサル時代の元上司(正確には元上司の上司)と会うことになったのだが、待ち合わせ場所を間違えてしまった。

そもそも、マンダリンホテルは2つしかないと思っていたが、そのとき3つあることに気づいた。

なので、その備忘録。

ちなみに、以下の通り、マンダリン・オリエンタルグループが運営しているのは1つしかない。


  1. Mandarin Orchard Singapore (managed by Meritus Hotels & Resorts)
  2. Marina Mandarin Singapore (managed by Meritus Hotels & Resorts)
  3. Mandarin Oriental Singapore (managed by Mandarin Oriental Group)

Mandarin Oriental GroupはあのJardine Mathesonグループだけど、MeritusはOUEグループだと初めて知った。OUEグループはインドネシアの財閥Lippoグループが買収したシンガポールの不動産開発会社で、Marina Bayに有名な建物(OUEのロゴ)がある。

2017年4月10日月曜日

世界大学ランキング(Times Higher Education (THE)のWorld University Rankings)

ここ数年、日本の教育・研究レベルの低下を危惧するニュースが多い。最近では、Natureかどっかが日本の科学研究のプレゼンスの低下を記事にして話題になった。

日本の大学についても同様で、東大も遂にアジアトップの座を明け渡し、今やシンガポール国立大学が首位に取って代わった。

大学の特色なんて様々だし、大学ランキングがすべてではないが、ただこういったランキングが各国の教育政策に影響を与えるのも事実だし、元々興味は持っていた。

なので、ざっと外観だけを見る目的で、簡単にデータを整理してみたので、以下に紹介する。なお、使ったランキングは、Times Higher Education (THE)のWorld University Rankingsの入手可能な、2011-2017年。

まず、TOP200の大学数の国ごとの推移を見てみる。
予想通りアメリカが圧倒的で、上位5か国で6-7割を占める。アジアでは本校が最も多く5校、次いで中国、韓国がともに4校、日本は2校のみ。


これを地域別(6大州ベース。北米、南米、欧州、アジア、アフリカ、オセアニア)にみてみると、欧州が約半分、米州が35%、アジアが10%、その他5%といった感じ。アジアは最近できた大学(シンガポールは国自体が50年くらい)が多く、数は増加にあるかと思ったが、予想に反してアジアの大学の数は横這いから減少傾向にあるようだ。


ここで、2017年のTop20大学の、2011年からのランキング推移をみてみる。
これを見てみると、ほとんどの大学の顔ぶれは変化していないことが分かる。つまり、Top Tier層においては大きな順位の変動がない。


次に、大きくランキングを上げている大学を見てみる。
2017年にTop200になっている大学が、2011年ランキングからどれくらい順位を上げているかを見てみる。
これを見ると、2011年に100番台後半だった大学が大きく順位を上げていることが分かる。また、南洋工科大(シンガポール)は目覚ましいランクアップを成し遂げているが、ランクアップしているのはほとんどヨーロッパ地域の大学である。


ランクアップ率で並べてみても同様の傾向。
(Top Tier大学は、順位が数レベル上がっただけで率は非常に大きくなってしまう。)

最後に、気になるアジア勢のTOP500ランキング2017。
黄色は日本の大学。

東大でさえ、アジア4位。
正直、シンガポールに住んでいて、東大がもうアジア1位になるとは思えない。
ほかの日本の大学の低下も著しい。
日本の最も苦手な国際性が大きく影響するランキングと思われるので、今後も厳しい状況は続くと思うし、日本の優秀な学生はどんどん海外の大学に進んだらいいと思う。

今後は、シンガポール国立大学がどこまで上がれるのか。アイビーリーグレベルまで行けるのか、そっちに注目したいと思う。


2017年4月8日土曜日

[News] シンガポール、女性の取締役占有率を2030年までに30%に


シンガポールは女性の社会進出を、女性取締役占有率の向上によって図ろうとしている。

2014年にThe Diversity Action Committee(DAC)が設置され、企業の取締役の女性占有率を高めるべく活動してきたが、最近、2020年までに20%、2025年までに25%、2030年までに30%を目標にし、大企業100社に対して率先して実現するように促した。

DACの出したデータ(冒頭のグラフ)によると、現在シンガポールは9.9%。確かに周りのインドネシア、マレーシア、インド、中国、香港よりは劣っているようだが、あと3年で倍にするのは難しいのではないか。
(日本は数年前だけど、1.5%台。)

GLC(政府系企業)なんかは政策を率先して実施するから、意外に早く達成できたりして。

記事によると、目標達成のためにDACは6段階の計画を発表している。


  1. 企業に対して、取締役と主要マネジメントの選定における多様性(性別含む)の方針と、測定可能な目標とその進捗を公表するよう要求する。
  2. 企業に対して、今後のビジネスニーズを踏まえた最適な取締役構成を発表し、適正なスキル・経験をもつ女性取締役を知人等から探す従来の方法から改めるよう求める。
  3. 企業が、多様性の恩恵に対する深い理解を得られるよう助ける。
  4. 投資家、市民などを啓蒙して企業が多様性を深められるよう促す。
  5. 女性の取締役やマネジメントへの進出の重要性についての研究を奨励したり、同テーマに対する地域での会話を増やす。
  6. 既に取締役の多様性促進を表明している機関・団体をサポートする。


いつも違和感があるのだけど、女性の社会進出増えると企業の業績は良くなるの?自由競争が大事なのに、数値目標決めて、ポジションにふさわしくない人を数合わせのために入れることに何の意味があるの?
(昔日経かなにかで、女性の社会進出が進んでいる企業?国?は成長率が高い、みたいのを見たことあるけど、それは因果関係はないよね。成長率が高いから、余裕があってそういう取り組みができるだけかもしれない。)

そもそもなぜ多様性を追求しなければいけないのか、僕自身理解できていないのだろう。多様性はそもそも効率性の議論とは全く別で語られているのかもしれない(一種のAffirmative Action)。

もちろん、性別やその人の仕事の実力以外の特性によって差別を受けるのは良くないと思うが、例えば女性は、文化的・社会的・歴史的背景もあるだろうが、事務仕事などバックオフィス業務を選ぶ傾向にあると思う。でも、これは、本人の意思によって選んでいるケースも多いのは、俺もよく知っている。女性の中には、そもそも働かず専業主婦になりたい人だって多いし、その率は男性よりは多いような気がする。

あと、多様性という意味では、色々なマイノリティの採用が必要なのに、なんでいつも「女性」なの?人種とか、色々ほかにもあると思うけどな。フェミニズムかどうかわからんが、女性側が勝手に存在しない敵と戦っていることって多いよね。

できるだけ多くの人が、公正に評価され、望む仕事につけますように。

Diversity Action Committee targets 30% of board seats for women by 2030

http://www.channelnewsasia.com/news/business/diversity-action-committee-targets-30-of-board-seats-for-women/3651134.html

シンガポールの毎日の食事デリバリー Tingkat


今日は、よく利用している食事のデリバリーについて書いてみる。

1回限りの注文では、日本のようにPizzaやマックのデリバリーもあれば、こちらではFood Panda、Uber EatなどがPopular。僕はFood Pandaしか使ったことないが、時間通りにきて便利。コンパクトな国のシンガポールならではだと思う。
(個人的には、Foodpandaのビジネスの仕組みに興味ある。配達人は専属なのか?配置はどうやって決めているのか?など)

これらサービスは、1回限りには良いが、料金は高めで所謂「外食」なので、毎日の食事には不向き。

そこで、シンガポールの共働きの人がよく活用するのが、Tingkatといわれる食事デリバリー。Tingkatの意味は、マレー語、インドネシア語で、「階級」。以下の写真のように数段に分かれた弁当箱だったからこのような名前で呼ばれるようになったのではないか。


Savory Kitchenのサイトより

話はそれるが、「シンガポーリアンは、自分の皿を持たない」という、まことしやかな笑い話がある。これは、シンガポーリアンは家で料理を作らない、という揶揄。実際、こっちで生活しているとわかるが、いたるところにホーカーがあるし、朝も夜も家族ずれや仕事帰りの客でにぎわっている。

さて、そのTingkatの値段だが、だいたいSGD5-10/人/食(人数多いと割安)で平日のみデリバリー。5、10、20回など一括払いで、自動更新にしたりもできる。
さきほどの写真のようにかわいらしいプラナカンのケースではなく、電子レンジであっためるので、以下のようなプラスチックケースで運ぶのが一般的か。うちの場合は、このプラスチックケースでしか頼んだことないが、希望すれば上記掲載のかわいらしいTingkatに入れて運んでくれるんだろうか。




Tingkatを提供する店は、おそらく規模も小さいため、自身のHPは持たないものもある。なので、まとめて色々なお店をみることができるFoodlineというポータルサイトが便利。
このサイトでは、Tingkat以外にも、お弁当(会議などのための数十個の大量注文用)、ケータリング(パーティー用)などもある。



うちは、共働きで住み込みのお手伝いさんが食事の受け取りができるので、義母が帰国している間などはよく使っている。配達はだいたい午後3-6時か。こちらがいなくても玄関の外に食事は置いて配達員は帰ってしまう。

はっきりいって、味は悪い。

まずくて食えないものもある。

それだけならまだしも、卵の殻、髪の毛、ゴム(?)が混入していたことはある。
(すべて、以下に名前があるJessie Catering)

とはいえ、最近初めて利用したところの味が比較的良かったので、備忘録もかねて以下に紹介したい。

まずは、似たり寄ったりのところ。4品のうち、1-2品は食べれないので、納豆が必需品(笑)

× Ronnie Kitchen
× 338 Catering
× Jessie Catering Pte Ltd
× Kim's Kitchen

次は、少し変わって冷凍弁当の店。
おかずの質は良くヘルシーな食事を謳っている。スープも含め、ほかのTingkatとは一線を画す。
冷凍であるがゆえに解凍がうまくいかないとおいしくないのと、ゴハン一体型で別注文ができない。しかもご飯は冷凍なので超絶まずい(もちろん毎回捨てていたが)。ご飯の代わりにたまにペンネみたいなのもある。 

△ Yeyeah Delights 


最後に、最近始めたところで、これまでで最もおいしいTingkatを紹介したい。
(※ただし、他よりもマシなのであって、日本人が期待できるものではないのであしからず。とはいえ、初めて全品食べられるレベルの料理だと思う。)
ここのオーナーのおばちゃんは表彰されたりしているみたいで、経営手腕も高いのかもしれない。10日間、2人分でSGD129なので、一人一回あたりSGD6.5と他と同等のレベル。

◎ Tong Chiang Tingkat

ただ、このFoodlineというサイトに掲載されているもの以外でも、日本人が現地人から紹介してもらった店なども存在し、探してみると結構あるかもしれない。

居住地域によっては配達がされないので、これも注意が必要。


本当のところは、もっと高くてもいいから日本食や質の良いものがあれば迷わず頼むんだが、どうやら見つからない。たぶんコストが合わないんだろう。誰かやってほしい。(ちなみに、知人の友人が脱サラして、CBDエリアの特定のビルをターゲットにして、平日昼の弁当の宅配はやっている。確かMinimum Orderあり。)

―――

固定費:
 人件費  SGD1,500 x 3 = SGD4,500
 光熱費  SGD500
 その他  SGD1,000
変動費:
 原材料費 SGD 2/pax
平均単価:
 SGD 7/pax

という非常にざっくりとしたコスト前提を置くと、Break Evenは、1200pax。平均2.5pax/世帯とすると、480世帯か。

2017年4月5日水曜日

[NEWS] シンガポールにZeppが初上陸

Zeppがシンガポールに進出してくるようですよ。

場所がよりによってBig Box。

失敗の予感、半端ない。。。

ここは、大失敗しているモールで、デザインといい空間の使い方といい入っている店の質といい、すべてが「荒い」。

うちは近所なので、毎週末となりのJemとか、Westgateとか行っている。
でも、それらのモールっていつも駐車場がいっぱいだからBig Boxに車止めて、Jem、Westgateで買い物している。2階でつながっているから便利だしね。

前からちょっと気になってたんだが、このBig Boxって経営に日本人絡んでる?

2階に日本食がフードコートに入ってるし、日本食品の業務用スーパーが入っているし。

あれだけ大きく場所取っておきながら、絶対赤字だろうな。

2000-4000人程度じゃ、所謂超大物も呼べないだろうし、イベントとタイアップするなら、マリーナベイやオーチャードじゃないと宣伝になりづらいだろうし。

以前、このホールでアロワナの販売会みたいなのやってたけど、本当にひどかったわ。

前日になってもまだ魚がセットアップできていなくてニュースにもなってたけど、がらんどうに家庭用水槽がいっぱいテーブルの上に置いてあるだけだった。


Zeppは失敗する、と予言しておこう。

http://www.oricon.co.jp/news/2088562/full/

[NEWS] McKinsey、BCGがシンガポールにIndustry 4.0トレーニング施設を開設

以下の記事①によると、BCGはBCGとして初のアジアでのInnovation Centre for Operations(ICO)をシンガポールに開設したとのこと。

Business Timesの購読契約はしていないので1文程度しか読めないが、シンガポールの経済開発庁(EDB)と協働して開発した、Industry 4.0 Accelerator Programなるトレーニングを実施する機能を備えた場所らしい。

②のBCGのPress Releaseを読むと、昨年10月にICOはParisでもローンチしているらしく、ほかにもドイツ、USAにあるようだ。ICOというのは、要するに最先端の自動化設備を備えたモデル工場で、ロボティクス、データサイエンス、3Dプリンター、拡張現実など最新の技術について触れることができる場所のようだ。

こういう次世代産業の言わば実験場をコンサル会社が自分で持つというのはいいことだと思う。こういう柔軟さと実行力はコンサルならではでいい。

でも、これって自分たちのお勉強の面も強いと思うのだけど、どれくらい収益をあげようとしているのか。あと、手元資金だけでやってるのか?

ちなみに、記事③にあるように、McKinseyもシンガポールで同様のSingapore Digital Capability Centre (DCC)なる施設を開設している。こちらは、A*Star傘下のARTCと組んだようだ。この記事によれば、USD15Mを前払いで支払って設立したらしい。

こういった最先端の製造技術の獲得と国民のスキル向上は、昨日書いたブログ同様、未来経済委員会の戦略に沿ったものとなっている。


BCG launches its first Asian innovation centre in S'pore
http://www.businesstimes.com.sg/government-economy/bcg-launches-its-first-asian-innovation-centre-in-spore


Innovation Center for Operations (ICO) launches in Paris
https://www.bcg.com/en-us/d/press/25october2016-bcg-innovation-center-for-operations-59094

McKinsey, A*Star's ARTC to train workers on Industry 4.0 (Amended)
http://www.businesstimes.com.sg/government-economy/mckinsey-astars-artc-to-train-workers-on-industry-40

2017年4月3日月曜日

[NEWS] NUSが公務員にデータサイエンスのトレーニングを実施へ

シンガポールの政策(産業政策)を勉強すればするほど、いつも素晴らしいなと感心する。

シンガポールがなぜ世界でも稀にみるほど経済発展を成功させることができたのか。

僕は、優秀な国民を公務員に動員し、合理的かつ有効な政策を迅速にPDCAしていく体制を作り上げたことが最も重要な要素だと考えている。

よく言われているように、シンガポールは、首相をトップとする株式会社のようである。

未来経済委員会の提言が今年の2月に発表されたが、デジタルスキルの向上がうたわれており、国民(シンガポール株式会社の中での平社員)がより付加価値の高い仕事をこなせるよう国としても全力で投資していく覚悟を見て取った。

彼らが目指す”Smart Nation”の根幹となる部分だ。

いまだに非効率な紙文化をありがたがり、効率化という概念のない日本の役人にはとても無理な発想である。

最近思うが、日本が本当に業務を効率化してしまうと、業務の総量に見合う労働者は実は相当少なくて済むため、失業率が大幅に上がってしまうんではないかと思うことがある。

これは公務員に限った話ではない。

つまり、民間だろうが公営だろうが、簡単に首を切らないのは、暗黙の社会保障の一環であり、その意味では日本は緩い社会主義なのかもしれない、という風に考える。

シンガポールのように効率化をするだけでなく、さらに付加価値の高い仕事をこなす能力を国民に教育することも並行して行わなければならない、ということ。

NUSはデータサイエンスの修士課程もあり、ブログ等読むとMBAとも交流がありかなりビジネスドリブンの実用的なコースらしい。ちょっと興味ある。

もうNUSは、大学世界ランキングでは、東大なんかより全然上だからね。

まぁ日本の大学はかなわないよね、どうあがいても。

脱線してしまったけど、以下が最近気になった記事でした。

NUS to train 2,000 Singapore civil servants in data science annually

Posted 29 Mar 2017 10:49 Updated 29 Mar 2017 22:57
http://www.channelnewsasia.com/news/singapore/nus-to-train-2-000-singapore-civil-servants-on-data-science/3633536.html