先日、市川海老蔵のシンガポール講演をカミさんと見に行ってきた。
(ある非常にお世話になっている方にチケットをいただきました。本当にありがとうございました!)
場所はMarina Bay
SandsのMaster Card
Theater
金曜1回、土曜2回、日曜1回の4回講演
土曜日の2回目の講演に行かせてもらった。
満席とはいかないまでも、ほとんど埋まっているようだった。(少なくとも1階は。)
構成は、以下の4つ。
①口上(市川海老蔵)
前半は英語でやり、後半は通常通りの日本語で。
②落語「転失気」(古今亭文菊)
落語はほとんど知らなかったけど、有名な話らしい。
お医者さんから和尚さんが「テンシキ」はあるか、と聞かれ、聞くのも恥ずかしいので、自分は知っているふりをして小僧に近所やお医者さんに聞きに行かせる。近所のおっさんも知らないが、坊主に知らないとは言えないんで、立派なものであるから人にあげちゃったとか、味噌汁にして食ってしまったなどと出鱈目な嘘をつく。坊主は「テンシキ=おなら」ということを医者から聞くが、その時周りの大人たちは実は「テンシキ」がなんであるかを知らないということに気づく。そこで、そのまま答えを言っても和尚がまるで知っていたかのように言われてしまうのが癪なので、一つ悪だくみをして和尚さんに恥をかかせる。。。という話。
驚いたのが、この人全部英語でやっていた。
しかもすごい分かりやすい英語。
爆笑の連続で、客をつかんでた。
でも、逆にいえば、この落語がないとこの後の能や歌舞伎に飽きてしまう人も多かったのではないかと思う。
③半能「石橋(しゃっきょう)」(野村昌司、武田友志ほか)
日本のお坊さん(実在人物)が、知恵を司る文殊菩薩が住むと言われる中国の清涼山へ行った時の話。ここに長さ約10m、幅約30cmの非常に狭い石橋あり。しかも苔むして滑りやすい。
通りがかった少年に話を聞くと、橋を渡ることを止められる。そんなこんなしていると笛の音が響いてきて、少年からはもうすぐ良いものが見られるからここで待つよう言われる。
そこへ文殊菩薩の乗り物である獅子が登場。牡丹の花に戯れながら獅子が舞う、、、という話。
「半能」となっているのは、獅子が登場するまでの前半がカットされた形式のことらしい。
獅子舞を見せる能は「石橋」「望月」の2つしかなく、本格的に獅子の面をつけて舞うのはこの「石橋」だけとのこと。
④歌舞伎舞踊「連獅子」(市川海老蔵、市川福太郎ほか)
上の能「石橋」が素材となって、幕末に初演されたもの。
獅子の親子が登場、親が子を谷に突き落とし這い上がってくるのを待つ、という良く聞くあの話。そもそも、獅子の親が子供を突き落として這い上がってきたものだけを育てるという話、オリジナルは歌舞伎なのかね、あんまりよくわからんけど。
途中で親子がかつらの髪を振り回すところがおそらくこの歌舞伎の見どころなんだと思う。子供役の市川福太郎が一生懸命演じている姿がすごい良かったし、海老蔵はさすがの貫録があるなと。
見終わっての日本人の感想は、
「よくわからんなぁ」
「ちゃんと予習してくれば良かった」
と。
これは僕の持論だけども、日本人は芸術に対して意味を求めたがる。
美術館に行って、絵の説明を見る時間が多い人が異様に多い。
絵よりも絵の説明に行列ができる。
(この点は、フランス人の留学生に昔指摘されて気付いた。)
シンガポーリアン(or 非日本人)は難しいと言いつつも、雰囲気などを指摘する。
まぁそもそも外国人の方がパンフレットをきちんと読んでいるってのもあると思うけど、まぁ雰囲気を感じ取るだけでもいいんじゃないの~、と個人的には思う。
ちなみに余談だけど、おんなじタイミングでベッカムが来てて、同じMarina Bay
Sandsでイベントやってたんだよね。日曜日に仕事の打ち合わせをしていたカミさんは、ベッカムが来店して驚いた模様。会社の同僚もMBSで海老蔵に会ったとか。
俺ってなかなか有名人に会わないんだよな~、と思うけどあまり周りを見ていないだけなんだろうな。かみさんはプライベートのGacktとか色々目撃してるし。
話はそれてしまったけど、人生初の歌舞伎をまさかシンガポールで見れるとは思わなかった。
ありがとうございました。
この前、シンガポールで日本VSブラジルのサッカー親善試合があったけど、駐在員はほとんどみんな行ってたね。日本ではサッカーなんて行かないだろうに。でも、シンガポールにいるから色々行ってみようかという気になる。今回の歌舞伎もそう。俺も日本にいたら歌舞伎なんて行かなかっただろうし。そういう意味で海外に住んでいると、イベントに積極的に行くようになって色々経験できていいのかもしれない。