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2017年4月10日月曜日

世界大学ランキング(Times Higher Education (THE)のWorld University Rankings)

ここ数年、日本の教育・研究レベルの低下を危惧するニュースが多い。最近では、Natureかどっかが日本の科学研究のプレゼンスの低下を記事にして話題になった。

日本の大学についても同様で、東大も遂にアジアトップの座を明け渡し、今やシンガポール国立大学が首位に取って代わった。

大学の特色なんて様々だし、大学ランキングがすべてではないが、ただこういったランキングが各国の教育政策に影響を与えるのも事実だし、元々興味は持っていた。

なので、ざっと外観だけを見る目的で、簡単にデータを整理してみたので、以下に紹介する。なお、使ったランキングは、Times Higher Education (THE)のWorld University Rankingsの入手可能な、2011-2017年。

まず、TOP200の大学数の国ごとの推移を見てみる。
予想通りアメリカが圧倒的で、上位5か国で6-7割を占める。アジアでは本校が最も多く5校、次いで中国、韓国がともに4校、日本は2校のみ。


これを地域別(6大州ベース。北米、南米、欧州、アジア、アフリカ、オセアニア)にみてみると、欧州が約半分、米州が35%、アジアが10%、その他5%といった感じ。アジアは最近できた大学(シンガポールは国自体が50年くらい)が多く、数は増加にあるかと思ったが、予想に反してアジアの大学の数は横這いから減少傾向にあるようだ。


ここで、2017年のTop20大学の、2011年からのランキング推移をみてみる。
これを見てみると、ほとんどの大学の顔ぶれは変化していないことが分かる。つまり、Top Tier層においては大きな順位の変動がない。


次に、大きくランキングを上げている大学を見てみる。
2017年にTop200になっている大学が、2011年ランキングからどれくらい順位を上げているかを見てみる。
これを見ると、2011年に100番台後半だった大学が大きく順位を上げていることが分かる。また、南洋工科大(シンガポール)は目覚ましいランクアップを成し遂げているが、ランクアップしているのはほとんどヨーロッパ地域の大学である。


ランクアップ率で並べてみても同様の傾向。
(Top Tier大学は、順位が数レベル上がっただけで率は非常に大きくなってしまう。)

最後に、気になるアジア勢のTOP500ランキング2017。
黄色は日本の大学。

東大でさえ、アジア4位。
正直、シンガポールに住んでいて、東大がもうアジア1位になるとは思えない。
ほかの日本の大学の低下も著しい。
日本の最も苦手な国際性が大きく影響するランキングと思われるので、今後も厳しい状況は続くと思うし、日本の優秀な学生はどんどん海外の大学に進んだらいいと思う。

今後は、シンガポール国立大学がどこまで上がれるのか。アイビーリーグレベルまで行けるのか、そっちに注目したいと思う。